JCI日本青年会議所医療部会

部会長所信

【はじめに】

 我々医療部会は1964年に設立し、本年度、創立55周年という節目を迎える事になりました。現在医療部会は正会員43名、特別会員618名の大きな組織となっております。
 歴史をひも解けば、ネパールやカンボジア等の海外医療ミッション、癒しの手紙事業、ASPACやJCIでの数々の褒賞を受賞しております。そのような功績のある団体の部会長を仰せつかる事に、大きな喜びを感じるとともに、身が引き締まる思いです。

 本年度は基本理念を、「竜吟虎嘯」、同じ考えや志を持った者は、相手の言動に心が通じ合い互いに相応じあう、その力は天空にとどろき伝播するという意味があります。私自身が創立50周年を経験し今迄医療部会に携わらせて頂いた原動力はここにあると感じております。しかし、近年医療部会の活発性が少し弱まっている様に感じております。このような偉大なる団体に属する事の喜びと誇りを取り戻し、医療部会がより活発化し発展していく為の一助を私が担う事が出来ればと考えております。これは私が1人で実施し達成出来る事ではありません。そのためには、医療部会の全ての会員の皆様と「竜吟虎嘯」互いに心を通じ合わせ、手を取り合う事があってこそ実現出来る事であると考えております。

【意義ある55周年事業実施のために】

 1958年に国民健康保険法が制定され、1961年には国民皆保険体制が確立されました。国民皆保険制度は、公的医療保険を通じて世界最高レベルの平均寿命と保険医療水準を実現し、今後も現行の社会保険方式による国民皆保険を維持し国民の安全・安心な生活を保障していく事が必要と意義づけられております。国民健康保険法が制定されてから60年を迎える今、我々は創立50周年での提言に基づく検証を行い、5年後、10年後を見据えていく必要があると考えます。

提言1「健康な社会」
提言2「政府と地方自治体との役割の再検討」
提言3「保健医療サービスの質の向上」
提言4「グローバルヘルスケアへの積極的参加」

それぞれに対して、専門的分野の意見も頂きながら検証し、創立55周年事業で発信していきたいと思います。

【魅力溢れる部会をつくるために】

 医療部会会員は全国の青年会議所において、様々な経験や知識を得たメンバーの集まりです。しかし、魅力溢れる会員たちが集う、イコール魅力溢れる団体とはなりません。魅力溢れる団体になるためには、医療部会が魅力ある例会や事業を企画し発信していくことが必要です。そのために正副常任会議を積極的に行い、担当者と綿密な打ち合わせを重ねていきたいと思います。
 それにより参加会員数が増え、新たな意見を頂き、それがフィードバックされ、質の高い例会や事業に昇華されていくと考えます。そのために本年度は例会や事業において参加メンバーからアンケートをとり、貴重な意見をそのままにはせずに、次の例会や事業に活かしていきたいと考えます。
 また、医療部会で行っている例会や事業の報告を、各地のLOMに対して行い、医療部会会員以外の青年会議所メンバーにも周知して頂く事で、より医療部会の魅力を発信していきたいと考えております。

【医療部会会員の意識を共有していくために】

 各人が大きな力をもつ医療部会会員が意識を共有する事は医療部会の更なる発展に、必ず必要であると考えます。
 医療部会は1964年に医療問題の山積している今日、吾々医薬全般に従事するJCメンバーは、JCの綱領を基盤として、相互の連携をとり、青年としての英知と、勇気と、情熱をもって日本の医療の正しい発展の一翼を担うべくして設立されました。55年が経ち、日本の医療は高齢人口割合が世界一になり、介護保険が導入され、少子化問題は深刻になり、少子高齢化社会に至りました。医療問題の内容は変化しているものの、医療問題は無くなった訳ではありません。提言にある「成熟した社会」を目指して今一度意識を共有し日本の医療の発展の一翼を担う必要があります。
 「成熟した社会」を目指すために、我々は例会や事業の積極的参加を促し、総会や歴代会議、アドバイザー会議では積極的に意見を交え、様々なツールで発信していく事で方向性を指し示し、意識を共有していきたいと考えます。

【支援活動の新たなる可能性を見つけよう】

 我々医療部会は韓国、ロシア、ベトナム、インド、ギニア、ネパール、ミャンマー、カンボジアなど、様々な国で医療ミッションを行ってまいりました。カンボジア医療ミッションは本年度14回目をむかえます。カンボジアの状況はミッション当初と比較すると、雲泥の差が感じられるようになりました。昨年からは小学校において保健の授業がカリキュラムに組み込まれ、一部の学校においては試験的な給食のシステムが実施されるようになりました。次のミッション国を見つける必要も出てきているのかもしれません。しかし、それはプノンペン市内や近郊の話です。カンボジア医療ミッションをいつ迄行うのかという判断は非常にデリケートな問題でもあります。
 2012年JCIカンボジアのチャットモックJCと友好条約を締結した事により、医療ミッションの協同体制が構築できましたが、双方の考え方の違いから、なかなか1つの方向を向いて医療支援や公衆衛生活動を行う事が出来ませんでした。しかし、友好条約締結後5年間一緒に活動する事でやっと方向性が1つになり始めました。これは非常に大きな成果であり、この経験は今後、他の地域で医療ミッションを行う際の、医療部会の大きな財産になると考えております。
カンボジア医療ミッションが、チャットモックJCによって醸成される手助けをする事が、我々がカンボジア医療ミッションでやり残している事と考えます。
 また、現在のカンボジア医療ミッションには医療支援以外の意味合いも強く現れてきていると考えます。それは、カンボジア医療ミッションは医療部会会員の絆を深める事業であるということです。ですから、私はカンボジア医療ミッションを行い、より一層、会員の結束、絆を深め次の医療支援国を見つけるパワーを養いたいと考えております。
 そして、昨年で6年目を迎えた復興支援事業ですが、気仙沼大谷地区の仮設住宅は解体され、皆が災害公営住宅に転居されました。これにより1つの節目を迎えた訳ですが、我々の支援は「あなた達を忘れない」という想いのもと始まりました。そしてこの想いは、大谷地区の仮設住宅の人たちにしっかりと届いております。転居したら終わりなのでしょうか、まだ、我々は被災者の方々から学ぶ事も多く残っているのではないでしょうか、そのため、本年度は支援事業という意味合いから交流会とし、転居後の想い、落ち着いた今だから感じる事を知り、今後日本各地で起こりうるであろう、災害時の支援の質を高めていきたいと考えております。
 また、医療部会は今後も永続的に活動していく団体と考えております。その時、新たな海外医療ミッションや復興支援事業を行っているメンバーが、判断に迷い、困ってしまった時に、1つの方向性を示すものに昇華する事が今必要と考えます。

【会則を守り規律ある活動をおこなうために】

 医療部会は名誉顧問として日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会の会長の皆様、そして、武見敬三先生をお迎えしております。そして、600名を超す多くの先輩諸兄に支えて頂く事で活動する事が出来ております。そのような歴史と伝統、品格のある団体に属している事を再度心に刻み、会則を順守し活動してまいりたいと思います。

【終わりに】

 私がいま、こうして想いを文章にしている事が奇跡としか思えません。これまでに様々な人の出会いと、支えがありました。医療部会という団体は多くの忘れる事の出来ない想いを与えてくれる団体です。基本方針の実現には私1人ではどうにもなりません。医療部会会員ひとり一人の支え、ご協力があって初めて実現いたします。

 

医療という大きな力を、明るい豊かな社会の実現のために

千葉 貴治

2018年度 日本青年会議所医療部会
第55代部会長 千葉 貴治